子供多かったなー
玄ちゃんと仮面ライダー&ボウケンジャーを見に行きました。
ここ毎年見に行っているのだけど、いつ見ても戦隊物における、演出ノウハウの集積量には唸らされる物があります。短い時間の間に、敵味方両レギュラーの個性を如何なくスクリーンに映し出し、常に殺陣やアクションシーンを絡めながらしっかりとストーリーを進め、最後にとっておきの必殺技で〆る。
水戸黄門の頃から続くこの一連の展開。日本が生んだ立派な文化だと思います。いや、実によかった。
ライダーに関しては、近年の中で一番の傑作じゃないでしょうか、詳しく書くとネタバレなので余り語れないのですが、本編を見ているからこそ解る良い部分悪い部分をしっかり全部取り入れて、その上で面白い作品に仕上がっています。今年のライダーを見ている方は、見て損はないです、是非に。
え?時かけれびゅー?
皆やってるからいいじゃないか!
三日目
早朝の涼しげな気候はどこへ行ったのか、10時を過ぎると空は雲一つない夏晴れで、照りつける太陽は容赦無く、壁サークルの行列に並ぶ僕等を焼く。
前方にはずらりと20Mほどの行列が見える。このペースなら、40分ほどかなと目算する。
丁度目の前に並ぶお兄さんの着るTシャツに、面白い文句が書かれていた。
『Game is Life Life is NOT Game』
白地のシャツに、濃い緑の文字 NOTだけ赤文字で書かれている。
少し笑えた。
というわけで、マイミクさんの更新履歴を見ると、あんたも行ったのか!という位に大人数がコミケ日記を書いている事に驚くおいらです。皆さん本当にお疲れ様でした!
今回は余り買いに集中はしなかったのですが、その分厳選したので、個人的には満足な買い物ができました。サークルの後輩達や、同級生、その他友人達皆、それぞれ自分が好きな物がバラバラで、それぞれどんな本が好きかで個性が分かれていて、彼等がどんな本を買ったのか見るだけでもわりと楽しめます。
僕の場合は何やら
『趣味が女の子っぽい』
らしいです。
そうなのかなぁ。
今回の収穫としては
岡田斗司夫さんの『オタク イズ デッド』
そしてミギーさんのDQ総集編『おしまいの断片』&『追憶の天』
この二冊がとても面白かった。
前者の著者は、業界では誰しも認めるオタクの重鎮(エヴァンゲリオンを作ったガイナックスをその昔創立した人の一人)そんな彼が、オタクの中心に立ち続ける彼が「オタクは死んでしまった」と容赦無く語った自身の講演の内容を、自らまとめた本。オタクならずとも一度は読んで欲しい内容の本。オタクはなぜ生まれたのか、オタクはどう生きてきたのか、そしてオタクはなぜ死んだのか。その事がとても解りやすく書いて有ります。必見です。
後者は、著者が以前に発行したDQに関する同人誌をまとめた総集編、ああ、この人はやっぱりDQが大好きなんだなと感じさせる溢れる愛と、才能を持つ人だからこそ描ける絵力とのダブルアタックで、同人誌で久しぶりに涙ぐんでしまいました。もうね、4の主人公の悲劇っぷりったらないですよ本当。そんな感じで、僕としてはとても満足なコミケでした。
あなたも、ゲームに勝てましたか?
一日目
眠い目を擦りながら見上げると、空を番いのカモメが飛んでいく。言葉を交わすわけでも無いのに二羽は、ぴったりと、殆ど同じコースを同じ軌道で飛び続ける。
「グラディウスのオプションみてぇだな」
どこかで誰かがつぶやいた。
コミックマーケット70
最近すっかり開催数の数字を気にしてなかったのだけど、一番身近に思いだす開催数字は58という数字。逆算すると6年前の事。やっべ、僕も年とるわけだ。道理で5時起きだというのにちょっとふらふらする。いつも並んでいるはずなのだけど、一人で早朝列に並ぶのが、妙に久しぶりな感覚がある。
海辺から100M程手前にある広大な駐車場。いつもそこに早朝列は形作られる。端の方には仮設トイレがずらりと並び、数箇所にホットドッグ屋が点在する光景は、いつ見ても災害時の避難地域といった印象を感じる。実際現実からの避難場所、なのだけど。
そんなわけでそういった並びを超えて、コミケット70一日目、参加してきました!今回は午前には今にも雨が降り出しそうな曇り空だったのが、午後になると、海の魚もビックリするようなカンカン晴れというものすごい天気の変わりように、ビックリされた方も多かったと思われます。僕も家に帰った後、夢の中で黒衣の幽霊に口に指つっこまれて思いっきり上顎に穴開けられかけるという病んだ夢を見る位にバテてしまったようです。恐かったわです、ええ。変な空気に当てられたのかな。
今回面白かったのは、とあるテレビアニメの監督を、直で見れた事です。その監督は自分の番組に自身が声優で毎回出演したり、荒唐無稽なシナリオでとんでもない作品ばかり作っているような人でかなりの変わり物なのですが、今回のサークル参加も自分がアニメ出演した際のキャラクターのコスプレをして、自分で書いた本を手売りするという。見に来た方々皆に自分から声をかけて話込んだりと、やっぱ面白い人です。あなたのファンやっててよかったよ!
まだあと二日、サークル出展の方も、一般参加の方も、皆楽しみましょう!
服は高いが本は高くない。
実際によく会っている方々なら否応無しにお気づきだと思われますが。
僕がいつもはいているジーンズには穴が空いております。
「穴空いてるくらい普通じゃね?」
と申される方、あなたの考えは正しい。
最近は街を歩いているとほぼ9割方ジーンズファッションであり、(8/9付け池袋調べ、マジでそうでした)街は人々が与り知らぬ間にジーンズに乗っ取られ、人類の運命は、もはや風前の灯となっていた。そんな絶望に包まれた世界に在る時、一人の救世主ケミカル=ウォッシュが…
ナイナイ
という位に、街にはジーンズを履いている兄さんは多く、その中には膝やら腿の辺りが削れていたりして、ちょっとワイルド風な演出をされた物を見かけるわけです、が、問題は僕のジーンズの破ける箇所でありまして。
内股、がやぶけてしまうのです。
破けても演出で済むといいますが、しかし内股が破けるというのはワイルドというより猥褻物陳列罪にリーチになってしまいます。今履いているる以前に履いていたジーンズは、それはジャストに腰の内側がほつれて行って、これは危険だなと感じてはいたのですが、先日久しぶりに履いてみた所、なんとトランクスが見える程の穴になってしまっていました!
世間さまにこんなものを見せ付ける大変失礼であり、僕はまだまともな性癖と自覚しているため、もうこれは履けません
今履いているジーンズの破けている箇所は膝の少し上の内側のため、前回ほど危険ではないのですが、月日が過ぎる程にじわじわと広がって行くその穴が段々気になってきたため、昨日ほんの少しのあぶく銭が手に入ったので、せっかくなので新しいパンツをと、買いに行く事にしました。
さて、なぜ穴が空く程まで一つのジーンズばかりを履き続けてしまうかというと、センスの悪さがあります。一人で買い物に行き、ああでも無いこうでも無いと右往左往の七転八倒の末さてこれにするかと買ってみたものが、もう四方八方から「あんたセンスないねー」「その服、テンション下がるわぁ」「お前は眼鏡の台座だ」等等、散々な言われようであるため。もう一人で服を選ぶのがね…ウウウ!しかし穴が空いたの一本だけというのももう限界なので、頑張ってできるだけ良いのを探そうと思います。
というわけで今日の目的は茶色のパンツだ!と漠然とした目標を胸に突撃した先は
無印!
先生!僕みたいなのにはオシャレさん揃いのブランドショップは恐いです!狩られる!
つい先日ぼーっと立ち寄った際、ブラウンのホットパンツがちょっといいかなと思っていたのです。ええ、もうこの時点でこいつのセンスは…な方も大勢いらっしゃるかと思います!そんなあなた、俺を改造してみませんか!ご連絡先はコメントまで!
とまぁ、キョロキョロしながら商品を手に取り、キョロキョロしながら試着室へ。なぜかこちらを見る店員さん。
ああ!店員さん!何けげんな目で見てますか!そんな目で見つめないで!恥ずかしい(*ノノ)
「試着をされたい場合は、スタッフまでお申し付け下さい」
('A`)あ、そうだったんですね。
で試着してみたのですが、うーん、ダボつき感がちょいと目立ってしまい、なんだかぼったい感じになってしまったので、これは取りやめに。デザインが好みだっただけに残念。
次に向かった先は、
Right on
「俺はジーンズメイト派だ」
次
ジーンズメイト
やっぱここが落ち着くなぁ。店をウロウロすると、モデル体系で色白なお兄さん型のマネキンが、丁度理想的なシルエットのパンツを履いてらっしゃるではありませんか。色合も丁度頭で描いたのと同じ!これはいい!
ふんはふんはと鼻息も荒く、間近に近寄って値札を見ると。
…うん、やっぱいい物はそれなりの値段がつきますよね…
もう今日はいいかなぁと とぼとぼとしていると、こげ茶のジーンズが目に入りました。
こげ茶で少しかすれ気味の色合のジーンズ。店の隅っこの狭い通路にひっそりと積まれていました。手に取ると値段は手頃で、サイズも丁度良い具合。
うん。
試着室へ行き、履いてみると。だぶつきもなく、かといってきつめでなく、丁度すっぽり足に入る具合。丈は少し長かったですが、そこは天下のジーンズメイトなので問題は無いでしょう。
買う事に決めました。
今も丁度はいてますが、いい塩梅です、膝の部分が曲げると多少きつめですけど、これは時間をおけばなじむでしょう。
服に対してもやっぱ縁はあるようで、突然めぐり合った物が、意外とよかったりする事も多々あるのだと思います。
「これ買ったんだけどどう?結構いいと思うんだけど」
「小豆みたい」
('A`)
あいつーんず
i tunes。
周りではこのソフトを入れた途端にPCが電源切れなくなっただとか。突然PCが重くだっただとか、写真を撮ったら顔が歪んでいて、一週間後にPCから前髪垂らした不気味な女が出てきてトゥルーラブストーリーの主題歌を歌いだす等。僕の周りではちょっとした呪いのソフトとなっているこの音楽再生ソフト。
「ひぃ、触らぬ神に祟り無しじゃあ、くわばらくわばら」
迷信を信じがちな田舎のお婆ちゃん風に使う事を避けてはいたのですが。ある日PCのソフト整理をしていた所。30Gのハードディスクの隅っこに、こっそりとitunes様が住まわれているではないですか。
「おおおお、この村もおしめぇじゃあああ覗武頭(ジョブズ)様がお怒りじゃあああ」
ボロ布だけ纏い、伸び放題の白髪を振り乱しながら叫ぶ八墓村の老婆のように、PC前でがくがくプルプルしながらもしかし、もはや逃げ場は無いと理解した僕は、気を緩めた途端、すぐにでも泣き喚かんと動揺する心を抑えつつ
「ようやく俺の番か、天国のピーちゃん、美味いほうれん草持って句から、ちょっと待っててくれよ…」
と死を覚悟しながらi tunesに立ち向かう事にしました。
ここまでが前回のあらすじ、というか前振り。
そんなわけでipodを持ってるわけでもないのに!i tunesを使い始めました。僕は面倒くさがりなくせに、面倒な事を直す事すら面倒くさいという、筋金どころか鉄筋で補強されてるんじゃないかと思う程の面倒くさがりなので
基本的な音楽ファイルはwinamp。
wmaとwebラジオはWMP
という風にだったら全部WMPでいいじゃねぇかと、誰しも突っ込みそうなソフトの使い方をしています。だってwinamp滅茶苦茶軽いんだもの!
そんな風に、いつもと変わらないソフトじゃねーの?とソフトを起動した瞬間
何かものすごいスピードで何か読み込み始めるi tunes
バババババババババババ
うおおおおおおおおおおお( ;゚Д゚)
恐いよ!i tunesやっぱこわいよ!俺逃げるよ!ごめんピーチャン(セキセイインコ♂)まだそっちには行けない!
と狼狽しつつPCの前から勢いよく飛び出て布団を被り膝を抱え、指をかじりながら
(ダウンローズはきっと中でドリカム状態になってしまったから、耐えられなくなっちまったんだなぁ)
と、解散の知られざる理由について思いを巡らせていると、いつの間にか眠ってしまいました。
気付くと外は夕暮れ、セミの泣き声は也を潜め、遠くひっそりと聞こえる程。じっとりとした暑さが身を包み額の汗が妙に温い
PCの駆動音だけが獣のうなり声のように部屋に響く。恐る恐る布団から這い出る。長時間放置していたPCは半休止状態になっている。喉が妙に渇く、背筋が妙な寒気がする、寝汗のせいだろうか。キーボードに手を伸ばす。キーを叩くと反応したPCが静かに休止モードを解き始める。雑多なデスクトップにi tunesが映し出される、そこには。
PC内の全音楽がライブラリ登録されてました。i tunesを使って、一番便利だと思うのはこれでした。他のソフトでもプレイリストをカスタマイズできる機能は予めあるのでしょうが、先ほども記したように、僕は鉄筋コンクリート入りの面倒くさがりなので、リストを作るのも面倒くさい。さらにCDを借りてみたものの、それを聞くのも面倒くさい。面倒面倒言ってる内に気付けば返却期限直前に、仕方ないPCに取り込んでから聞こう、とPCに放り込んでアルバム丸ごとコピーをしても、今度は再生するのも面倒くさい。なもんだから、音楽を聞く時は、決まった曲を永久リピート。たまには変わった曲聞こうかなーと思っても、探すの面倒くさい。
そんな僕にこの機能は最高でした。リストでシャッフルしたら、全部の曲の中からランダムでかけてくれるもんだから、楽なことこの上ないです。時々あれ?こんな曲あったっけとか思うものも…それが友達から譲ってもらった曲でもなく自分のCDのだったりする事も、ちゃんと聞こうぜ俺。
そんなわけで、i tunesはめんどくさがりやなあなたにお勧めのソフトです!生きる事も面倒くさくて、樹海に行きかけのあなたもこれなら大丈夫!
「僕もお勧めだよ」
おお!そうかいジョニー気に行ってくれたかい?君がそう言ってくれるなら僕も安心さ!
「HAHA、そういっていただければ光栄だよ!」
こちらこそさ!さてさてこの商品のお問い合わせは…
(しかし、やけにマイメロの絵書き歌ばっか再生するな、描けってか?)
泳いでないなー
小学校の前を通ると、子供達が土のグラウンドの上で、水着姿で準備体操をしていました。
どうやら小学校の、夏休みプール教室のようです。
いっちにっさんっし いっちにっさんっし
「はーい、もっかい今度は深く屈伸ー」
「えー」
「まじかよー」
いっちにっさんっし いっちにさんっし
地面に放られたタオル、プールに入りたくて仕方が無いという感じにそわそわしている子供達。
いつのまにか鳴き始めた蝉の声。ぬるりとするプールサイドと夏なのに震える程冷たいプールのシャワー
懐かしいなぁと思いつつ、もうあれから10年以上の月日がたっている事に、少しばかし愕然としたわけで。
月日の流れって恐!
テストはあと二つレポートが一つ
最近四つ位の心配要因が同時進行していて、どうも昨日辺りからガタが来たようで、胃と腸が同時に調子を崩してしまいました。でも間食しちゃいやすい自分にとっては、余り食べなくなるのはいい事かもしれません。ふと、ダーイエットは明日からー♪と口ずさみたくなってきたりします。現在進行中だけど!
くだらない事なんですがちょっと聴いてください
月曜日の事、先週発表した課題のまとめを、教授に提出するために研究室へと出向きました。研究室に入ると教授は、他の研究室の方々と研究機械を作られているようで忙しそうでした。
「先生、先週の課題を提出しに来ました」と言うと、教授は機械のそばに僕を呼び寄せてレポートを毟り取りるように受け取りました。それを後ろポケットに乱暴に押し込みながら
「お前、明日ここに手伝いに来い、このままじゃ単位はやらんかもしれんぞ」
今期僕は、前半から中盤にかけて、毎週選考や病院があったせいで実験に出る事ができず、出席数が足りないとの事で、ここ最近、教授には会うたびどやされていました。しかしその翌日、火曜日は友人から紹介されていたバイトが入っていました。
「明日は予定がありまして…」
「じゃあこんでいい」
「水曜にならこれます」
「もういい」
水曜日に行くと告げたものの、その日は釈然としないまま家に帰ると、バイトを紹介してくれた友人から突然、明日は仕事が無いから、事は無かった事に。と連絡が来ました。入っていた予定が無くなりました。これなら明日研究室に行く事ができます。しかし「水曜日に行く」と言った手前、水曜日に行くべきか、でも火曜日に行った方が印象はいいかもしれない。でも教授はこんでええとも言った。どうしよう。といういつもの悩みグセが出て、ウジウジしてました。水曜にも行かなくてもいいかもとも思いました。でも、逃げたとしても行ったとしても、結局最後には何かしらの形で結果に出てしまうわけで。
だから悩むのをやめました。火曜日に行って、手伝う事にしました。バイトが無くなったのも何かのチャンスです。きちんと行って、ペナルティ分の事をしてこようと決めました。
当日行くと、教授は何かの計算をしていました。手伝いに来ました、と言うと。何をやれと命令する事なくただ「欠席する時には気を付けろ」とだけ。もう帰っていい、と。
よきにしろ悪きにしろこういった結果になった事は、逃げずに行った事から出た結果だと思います。ちゃんと自ら行動してけば、しなかった事よか、いい結果は帰ってくる。なんか久々にそれを実感しました。
ここ最近心労が多いと書きまし。ですが最近は6月頃の状態にくらべて、何か希望がまだ見れるような心持になってます。辛いことは辛いですが、それでも先がまだ見えていて、どうにかできるような気がするのです。
まだ梅雨は空けてませんが、夏が来ます。
オホウポップってあったよね。
- 上遠野 浩平
- ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師
高校時代、これを読んだ後に、その内容の衝撃から自分の人生観が少し変わった事を覚えている。しかしそれからしばらくたって、この作品が自分にとって、どのようにに衝撃的だったのかを思いだそうとすると、それがとんと思い出せない事に気付いた。特に内容についての記憶は曖昧で、只なんとなく『自分の特殊能力であるアイスクリームを皆に食べて貰う事で、人が救えると信じて頑張ったのだけど、結局だめで、主人公は全てを失ってしまう』という大筋をぼんやりと記憶している程度だった。
近所の古本屋でこのシリーズは百円コーナーの常連になっている。この作品の第一作『ブギーポップは笑わない』はその頃の低迷していたライトノベルの環境を一新させ、一時代を築いた。その後の作家達に大きな影響を与えたそのシリーズは、以前は電撃文庫を代表する程の人気だったのだけど、今や勢いある新しい作品に追われて、その座を明け渡してしまっている。いつもだったら素通りするはずのその本棚なのだけど、ふとこの本がラインナップに入っているのが目に止まって、なぜあの頃この作品に衝撃を受けたのか、そしてなぜ自分がこの作品が、ブギーポップというシリーズの中で一番好きだったのかを確認するため、数年ぶりに手に取る事にした。
これ一冊読むのに、以前は一日かかっていたのだけど、今は平均的なライトノベルの文量であれば三時間ほどで読めるようになった。少しはスピードが上がったんだなと、読みながら思う。
読み終わって、昔の僕がなぜ衝撃を受けたかを理解できた。勘違いしていたのだ。話についての解釈は元より、自分自身についての解釈も。
僕は主人公の特殊能力が、世界を救える能力だと勘違いしたまま読んでいた。頑張って救おうとしたけども、不幸な事にその能力を危険視した人々によって、彼は世界から排他される。そんな話だと勘違いしていた。ところが主人公は世界を救おうとなどこれっぽっちも思っていなかったし、そんな彼の能力も世界を救えるなんて物でもなかった。
この勘違いに僕は勝手に共感していた。『自分は皆のためにやっているのに、なぜこんなに辛い目に合うのか』と、その姿を勝手に自己投影し、そんな自分自身をも勘違いしていたのだ。
だが僕は人を救うどころか、人づきあいがまともに出来ていない落伍者だ。情けないのはつい最近までそんな本当の自分自身に気付いていなかった事だ。ここまで下手な生き方しておいて、どうして自覚できていなかったのか、ある意味褒めてやりたくもある。
この作品のあとがきで作者は『失敗を恐れていままでと同じ安全策とっていままでと同じ失敗を繰り返すつーのが本当の失敗かも』と書いていた。逃げっていう安全策ばっかりとってきていた自分のツケが一気に回ってきているだけにぐさりと来た。もう安全策は使えないのだから、もうそれは捨て去らなきゃいけないのだろう。がんばろう。
たにざき
春琴抄を読みました。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/04/post_ce4e.html
うん、俺もそう思った。
それはさておき『天鼓の如き名鳥の囀るを聞けば、居ながらにして幽邃閑寂なる山峡の風趣を偲び、
渓流の響きの潺湲たるも尾の上の桜のアイタイたるも悉く心眼心耳に浮かび来り
花も霞もその声の裡に備はりて身は紅塵万丈の都門にあるを忘るべし、是れ技巧
を持って天然の風景とその得を争うもの也音曲の秘訣もここに在り』
美しい文章だなぁ。
ネギとシェイクスピア
( ゚Д゚) ヤッツッツァッバリ リッパリランラン
http://www.netnebulo.hu/loituma_clock.swf
これ聴きながらプレゼン作ってたら脳髄が融けそうになりました。もうだめだ。
ヴェニスの商人を読みました。当時はどうやら人種の違いや宗教の違いに、随分とデリケートな時代だったようです。悪役として描かれる金貸しシャイロック。本来は業突張りの金持ちという役割のはずなのに、ストーリー上は、もはやユダヤ人である。というだけで周りに追い詰められている。これ以上無い善人と描かれる主人公アントーニオですら、ストーリーの最初では、シャイロックに唾を吐いた事もあるという描写もあるし、ストーリー上最も重要な役割である令嬢ポーシャに至っては、「モロッコ人は肌が黒いから嫌い」とのような事まで言う始末。人種に対する偏見が、これでもかこれでもかと詰まったこの名作。うん、日本ではちょっと大きな声じゃ勧めないよなぁ。と思いました。
娘に逃げられ、財産を毟り取られ、ユダヤ教からキリスト教に無理矢理改宗させられたシャイロック、ハイネがこの劇を、「シャイロックの悲劇」と評したのも頷けます。幾らなんでも可愛そうすぎるだろう。
この劇曲は、当時のイギリスの人々が、人種の違い、宗教の違いについて、どのような考え方をしていたかを克明に描き出しています。1500年代といえばまだ宗教の力はやはり強大で、どの神を信仰しているかは彼らにとってはすごく重要だったはず。それは今でいう物理化学のような物で、今「化学を信じない!魔法を信じる!」なんて言ったって誰も見向きもしないのは当たり前。変人扱いされて当たり前なわけです。
他の神様を信じるだけで変人扱いされる時代。そりゃ恐いし、まともな神経しててもそんな事ばっか言われ続ければシャイロックだって、そりゃ性根ひん曲がっても仕方が無い。
そう言った所も含めて、あの時代にそのような話を作っている辺り、シェイクスピアはやっぱりすごいな。