ネギとシェイクスピア | ◆今夜も枕投げ◆

ネギとシェイクスピア

( ゚Д゚) ヤッツッツァッバリ リッパリランラン

http://www.netnebulo.hu/loituma_clock.swf


これ聴きながらプレゼン作ってたら脳髄が融けそうになりました。もうだめだ。


 ヴェニスの商人を読みました。当時はどうやら人種の違いや宗教の違いに、随分とデリケートな時代だったようです。悪役として描かれる金貸しシャイロック。本来は業突張りの金持ちという役割のはずなのに、ストーリー上は、もはやユダヤ人である。というだけで周りに追い詰められている。これ以上無い善人と描かれる主人公アントーニオですら、ストーリーの最初では、シャイロックに唾を吐いた事もあるという描写もあるし、ストーリー上最も重要な役割である令嬢ポーシャに至っては、「モロッコ人は肌が黒いから嫌い」とのような事まで言う始末。人種に対する偏見が、これでもかこれでもかと詰まったこの名作。うん、日本ではちょっと大きな声じゃ勧めないよなぁ。と思いました。

 娘に逃げられ、財産を毟り取られ、ユダヤ教からキリスト教に無理矢理改宗させられたシャイロック、ハイネがこの劇を、「シャイロックの悲劇」と評したのも頷けます。幾らなんでも可愛そうすぎるだろう。


 この劇曲は、当時のイギリスの人々が、人種の違い、宗教の違いについて、どのような考え方をしていたかを克明に描き出しています。1500年代といえばまだ宗教の力はやはり強大で、どの神を信仰しているかは彼らにとってはすごく重要だったはず。それは今でいう物理化学のような物で、今「化学を信じない!魔法を信じる!」なんて言ったって誰も見向きもしないのは当たり前。変人扱いされて当たり前なわけです。

他の神様を信じるだけで変人扱いされる時代。そりゃ恐いし、まともな神経しててもそんな事ばっか言われ続ければシャイロックだって、そりゃ性根ひん曲がっても仕方が無い。

 そう言った所も含めて、あの時代にそのような話を作っている辺り、シェイクスピアはやっぱりすごいな。