気付けばもう一ヶ月 | ◆今夜も枕投げ◆

気付けばもう一ヶ月

 あの歓声はもはや過ぎ去った遠雷の様


 今となってはロナウジーニョ以外のブラジル選手も言えなくなった人が何千人いるでしょうか。ちなみに僕はロナウドとカフーしか言えません。

 ロナウドはおにぎりヘッド、カフーはえーと…どんな人でしたっけ。

 そんなどにわかサッカーファンではいかんかなと、少し前に各スポーツ誌がW杯増刊を刊行した時分、復習のため一冊ばかし購入しておいたのを放っておいたのを、先日本棚整理した際に見つけました。


 僕が購入したのはVS.の八月号。

 内容は決勝戦のレビューの他に、全ゴールのパターン、有名選手数人についてのコラム。メインとなるのは一試合ごとに見開き2Pを使い、大きな写真とコラムを載せた充実したフルカラー全200Pこれでよく1000円切ったなと、編集後記を見ると。今号でこの雑誌は休刊だそうです。なるほど最後の打ち上げ花火だったとですね…

 このメインとなる一試合ごとのコラム、試合の流れや活躍した選手について書かれる物が多いのですが、そんな目立つネタが無い試合だと、スタジアムや街のサポーター達の様子が書かれたりしていました。そこがとても面白いのです。

 ブラジル人は試合が終わっても踊り狂い、オランダ人は、広場で他国のサポーターと共にお祭りを始め、そしてどの国のサポーターもやっぱり、ドイツビールで酔い潰れる。

 各国ごとにそれぞれの盛り上がりを見せる中で印象深かったのは、日をおうごとに盛り上がって行く、地元ドイツサポーターの姿でした。それぞれのコラムはどうやら、試合当日に書かれたものらしく、日本戦のページを見ると、「次は勝たねばならない」「もう負けられない」等、先の事をまだ知らない事を伺わせる内容でした。

 ドイツについては。開幕戦等、ライターのテンションも低く

「今日は勝てたけど、ま、昔ほどじゃないな、まぁいける所までいってくれ」

 程度だったものが、あれよあれよと言う間に予選を勝ちあがり、決勝トーナメントを進出し、最初は陰を潜めていたサポーター達も増えに増え、気付けばスタジアムには7万の観客がつめかけ、絶叫していた。

 フィールドで戦う戦士の姿に段々と集いはじめるサポーターの姿、なんとも劇的ではないですか。

 TVだけでは見えない、人々のドラマがこの本にはありました。


 あれ?サッカーの復習じゃなかったけ。

 まいっか。